JICCは5年で信用情報が回復するの?時効援用との関係や成立要件をわかりやすく解説

借金の返済に悩んでいる方にとって、時効の援用は選択肢の一つかもしれません。しかし、時効を援用する際、信用情報機関であるJICCの登録には一定の影響があることも覚えておく必要があります。

この記事では、JICCの信用情報と時効援用の関係について詳しく解説します。そもそもJICCには契約内容や延滞情報がどのように登録されるのでしょうか。また、時効援用を含め、信用情報が回復するまでにはどのくらいの期間が必要なのでしょうか。

時効援用を検討している方はもちろん、借金問題に悩んでいる方にとって有益な情報が満載です。時効援用の成立要件や、信用情報が回復するまでの具体的な流れ、回復しない場合の対処法なども詳しく紹介します。

借金問題を解決するために、ぜひこの記事を参考にしてみてください。

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JICCの信用情報に登録される内容と時効援用の関係

JICCの信用情報に登録される内容と時効援用の関係

借金の返済が滞った場合、信用情報機関であるJICCに延滞や債務不履行などのネガティブな情報が登録されます。

ここでは、JICCへの具体的な登録内容と、時効援用による影響について詳しく見ていきましょう。

本人を特定するための情報

JICCには、債務者本人を特定するための基本的な情報が登録されます。

具体的には、氏名、生年月日、性別、住所、電話番号、勤務先、勤務先電話番号、運転免許証等の記号番号などが該当します。

ただし何らかの事情で債務者本人から登録内容の訂正依頼があった場合は、審査のうえ適切に対応される仕組みになっています。

契約内容に関する情報

JICCには、債務者が金融機関等と締結した契約の内容に関する情報も登録されます。

具体的には、登録会員名、契約の種類、契約日、貸付日、契約金額、貸付金額、保証額等が挙げられます。

これらの情報は、債務の存在を示す重要な根拠となります。ここで留意すべき点は、時効援用が認められた場合でも、契約内容そのものの情報は登録されたままとなる、ということです。つまり、時効成立によって債務の返済義務は消滅しますが、過去に契約関係があったという事実は残り続けるので、適切に「信用情報の削除」を行う必要があります。

返済状況に関する情報

JICCには、債務の返済状況に関する情報も逐一登録されています。

具体的には、入金日、入金予定日、残高金額、完済日、延滞等の情報が該当します。

債務者の返済履歴を示すものであり、信用力を評価する上で重要な判断材料となります。時効援用が認められた場合、残高金額はゼロとなります。ただし、過去の契約に関する履歴は一定期間(原則5年)残り続けるため、その間は信用力の回復が難しいとも言えます。

取引事実に関する情報

JICCには、債務に関連する取引事実も登録されます。

具体的には、債権回収、債務整理、保証履行、強制解約、破産申立、債権譲渡等が該当します。

特に時効援用については、それ自体が取引事実として登録されるケースもあります。

時効の成立が債務の消滅を意味するものの、公平性の観点から債務不履行という事実を完全に抹消すべきではないためです。

時効援用後のJICCの信用情報が回復するまでの期間

時効援用後のJICCの信用情報が回復するまでの期間

時効援用によって債務は法的に消滅しますが、信用情報の回復にはある程度の時間を要します。では、時効が成立してからJICCの信用情報が完全に回復するまで、どれくらいの期間が必要なのでしょうか。

ここでは、契約内容や延滞情報、取引事実等の登録期間を踏まえ、信用回復の目安について解説します。

基本的には契約終了後5年以内

時効援用が認められると、基本的には契約終了の扱いとなります。JICCの信用情報については、契約終了日から起算して5年以内は登録が残ることになります。

ただし、契約日が2019年9月30日以前の場合は、完済日から5年以内という基準になります。つまり、時効成立後の信用回復には、最長で5年間を要するということです。この期間は、新たな借り入れや信用取引を行う上で、一つの目安になると言えます。

延滞情報の回復期間

延滞情報の登録期間は、契約日によって異なります。2019年9月30日以前の契約では、延滞が解消されてから1年以内は延滞情報が残ります。一方、2019年10月1日以降の契約では、延滞情報の登録期間が契約終了後5年以内です。

時効援用が認められた場合、延滞情報は契約終了日から5年以内は残り続けることになります。つまり、延滞のデメリットを完全に払拭するには、時効成立から最長5年を要します。

時効援用が取引事実として登録された場合

時効援用が取引事実としてJICCに登録された場合、その情報は一定期間残ることになります。登録期間は、時効援用の発生日から5年以内とされています。ただし、契約日が2019年10月1日以降の場合は、契約終了後5年以内という基準になります。

つまり、時効の成立が信用情報に及ぼす影響は、最長で5年間続くということです。この点は、時効援用を検討する際に、十分に留意しておく必要があります。

時効援用が成立するための要件

時効援用が成立するための要件

時効援用とは、借金の返済義務を免れるための法的な手続きです。しかし、時効援用が成立するためには、いくつかの要件を満たす必要があります。

ここでは、時効援用が成立するための3つの重要な要件について詳しく解説していきましょう。

最終弁済日から5年以上経過していること

時効援用が成立するための最も重要な要件は、最終弁済日から5年以上経過していることです。消費者金融やクレジットカードなどの借金は、原則として最終弁済日から5年で時効が成立します。ここでいう最終弁済日とは、借金の返済を最後に行った日のことを指します。

例えば、2015年4月1日に借金の返済を最後に行った場合、2020年4月1日に時効が成立することになります。ただし、この5年という期間は、あくまでも原則論であり、借金の種類によって時効期間が異なる場合もあります。

例えば本筋からは若干外れますが、個人間の貸し借りや、住宅ローンなどの長期債務の場合は、時効期間が10年となることがあります。そのため、時効援用を検討する際は、自分の借金がどのような種類のものであるかを確認し、適切な時効期間を把握しておくことが重要です。

時効期間中に返済や連絡を行っていないこと

時効援用が成立するためには、時効期間中に返済や連絡を行っていないことが必要です。たとえ数百円の返済でも、時効は更新されてしまいます。

また、「支払います」などの返済の意思表示を行った場合も、時効は更新されてしまいます。つまり、時効期間中は、債権者に対して一切の連絡を行わないことが重要なのです。

むしろ、時効の援用を明確に伝えることで、債権者からの不当な取り立てを防ぐことができます。ただし、時効の援用を伝える際は、弁護士に相談するなどして、適切な方法で行うことが重要です。

時効期間中に裁判上の請求がないこと

時効援用が成立するためには、時効期間中に裁判上の請求がないことも重要な要件の一つです。裁判所からの支払督促や訴状が届いた場合、時効は更新されてしまいます。また、債権者が訴訟を起こした場合も、時効は更新されます。

そのため、時効期間中は、債権者からの裁判上の請求がないことを確認する必要があるのです。

ただし、債権者が訴訟を起こしたからといって、必ずしも時効援用ができなくなるわけではありません。訴訟の中で、時効の援用を主張することで、返済義務を免れることができる場合もあります。

ただし、訴訟になった場合は、弁護士に相談するなどして、適切な対応を取ることが重要です。

時効援用後のJICCの信用情報回復までの具体的な流れ

時効援用後のJICCの信用情報回復までの具体的な流れ

時効援用が成立した場合、借金の返済義務は免れますが、信用情報機関に登録されている情報は自動的に消えるわけではありません

時効援用後に、JICCの信用情報を回復するためには、いくつかの手続きが必要です。ここでは、時効援用後のJICCの信用情報回復までの具体的な流れについて解説します。

債権者に時効の援用を通知する

時効援用で、まず行うべきことは、債権者に時効の援用を通知することです。通知の方法としては、内容証明郵便で行うのが一般的です。内容証明郵便とは、郵便局で差出人と受取人の情報を記録し、配達証明と内容証明を付けて送る特殊な郵便のことです。これにより、通知の内容と日付を証明できます。

通知の際は、時効の援用を明確に伝えるとともに、債務の履行を拒絶する旨を記載します。ただし、通知の際は、弁護士に依頼するのが望ましいです。弁護士に依頼することで、適切な通知の内容を作成してもらうことができます。また、通知後のトラブルを避けることもできます。

登録情報の確認

債権者への通知後は、信用情報機関に情報開示請求を行い、登録内容を確認します。情報開示請求とは、信用情報機関に対して、自分の信用情報の開示を求める手続きのことです。情報開示請求を行うことで、現在の登録内容や、過去の登録履歴を確認できます。

時効援用後は、特に契約終了日や時効の発生日などを確認することが重要です。これらの情報は、信用情報の登録期間を計算する上で重要な情報となります。

また、時効援用が取引事実として登録されているかどうかも確認しておく必要があります。時効援用が取引事実として登録されていない場合は、債権者に登録を求める必要があります。

必要に応じて債権者への連絡

信用情報の登録内容を確認した結果、登録内容に誤りがある場合は、債権者に連絡し、修正を依頼する必要があります。例えば、時効援用後も延滞情報が登録されている場合や、契約終了日が誤っている場合などは、債権者に連絡し、修正を求めます。

また、先述の通り、時効援用が取引事実として登録されていない場合も、債権者に登録を求めなければなりません。債権者への連絡の際は、登録内容の誤りを指摘するとともに、適切な登録を求める旨を伝えます。

ただし、債権者が対応しない場合や、トラブルになる可能性がある場合は、弁護士に相談するのが望ましいでしょう。弁護士に相談することで、適切な対応方法を検討できます。

登録期間の経過を待つ

最後に、信用情報の登録期間が経過するのを待ちます。登録期間は、契約内容や事実によって異なります。時効援用後は、原則として契約終了日から5年以内は登録が残ります。ただし、契約日が2019年9月30日以前の場合は、完済日から5年以内となります。

また、時効援用が取引事実として登録された場合は、その発生日から5年以内は登録が残ります。登録期間中は、クレジットカードの作成や借り入れが難しくなる可能性があります。

しかし、登録期間が経過すれば、信用情報から登録が消えるため、再び借り入れができるようになります。登録期間中は、計画的な生活を心がけ、徐々に信用回復を目指していくことが重要です。

時効援用後に信用情報が回復しない場合の対処法

時効援用後に信用情報が回復しない場合の対処法

時効援用の手続きを行えば、借金の返済義務から解放されますが、信用情報機関に登録された情報がすぐに消えるわけではありません。

時効援用後も一定期間、信用情報に傷が残ることを理解しておきましょう。もし、時効援用後も信用回復が思うように進まない場合、どのような対処法があるのでしょうか。

債務整理を検討する

時効援用が適用できなかった債務の情報が信用情報機関に残っている場合、債務整理を検討するのも一つの方法です。

弁護士や司法書士に相談し、任意整理、個人再生、自己破産などの手続きを検討してみましょう。債務整理を行うことで、長期間にわたって信用情報に残り続ける延滞情報などを早期に解消できる可能性があります。

ただし、債務整理にはメリットとデメリットがあるため、専門家のアドバイスを受けながら慎重に判断することが重要です。自分の状況に合った最適な方法を選択し、確実に借金問題を解決していきましょう。

信用回復までの期間を待つ

時効援用後、信用情報から借金の記録が消えるまでの期間は、最大で5年間と定められています。この間は、クレジットカードの作成や新たな借り入れが難しくなる可能性があります。

信用回復までの期間は、じっくりと待つ必要がありますが、その間に計画的な生活を心がけ、着実に信用を回復させていくことが大切です。

信用情報が改善されるまでの間は、無理のない範囲で生活を見直し、支出を抑えることも検討しましょう。時間の経過とともに、徐々に信用情報が良くなっていくことを信じて、前向きに過ごすことが重要です。

収入アップを目指す

時効援用後、信用情報が回復するまでの間は、新たな借り入れが難しくなることを覚悟しておく必要があります。この期間を乗り越えるために、収入アップを目指すのも一つの方法です。副業や転職など、収入を増やす方法を考えてみましょう。

また、スキルアップを図り、将来的に高収入を得られる職種を目指すのもおすすめです。収入が安定し、財務状況が改善されれば、信用情報の回復もスムーズに進むはずです。ただし、無理のない範囲で取り組むことが大切です。

健康や家庭生活に支障が出ては本末転倒です。自分のペースで、着実に収入アップを目指していきましょう。

時効援用とJICCの信用情報についてよくある質問

時効援用とJICCの信用情報の関係について、疑問や不安を抱えている人は少なくありません。

ここでは、時効援用とJICCの信用情報に関する代表的な質問を取り上げ、それぞれについて詳しく解説していきます。時効援用や信用情報について理解を深めることで、借金問題に対する不安を和らげ、前向きに解決策を検討することができます。

Q. 時効援用しても信用情報は残る?

時効援用が認められ、借金の返済義務がなくなったとしても、信用情報機関であるJICCには一定期間、借金の記録が残ります。

具体的には、契約終了後5年以内は、時効援用した借金の情報が登録され続けます。

ただし、時効援用後は延滞情報が解消されるため、信用情報の内容は改善されていきます。時効援用から5年が経過すれば、借金の記録は完全に消去されます。

信用情報の回復には一定の時間を要しますが、着実に借金問題を解決していけば、必ず信用情報も改善されていくはずです。焦らず、じっくりと信用回復に取り組んでいきましょう。

Q. 時効援用が取引事実として登録されるとどうなる?

時効援用が取引事実として登録されると、その発生日から5年以内は信用情報に残ることになります。

2019年10月1日以降に契約した借金の場合、時効援用の取引事実は、契約終了後5年以内に登録が削除されます。

つまり、時効援用から5年間は、信用情報に傷が残り続けるということです。ただし、延滞情報は時効援用と同時に解消されるため、信用情報の内容は改善に向かいます。

時効援用が取引事実として登録されても、前向きに捉え、着実に信用回復に努めることが大切です。信用情報の回復には時間がかかりますが、必ず道は開けるはずです。

Q. 時効援用後に新たに借り入れは可能?

時効援用後も、信用情報に借金の記録が残る期間は、新たな借り入れが難しくなる可能性があります。

特に、時効援用から5年以内は、信用情報の傷が大きいため、借り入れの審査に通過しにくくなります。

ただし、信用情報の登録が消えれば、借り入れの可能性は高まります。時効援用後は、信用情報の回復を待ちながら、計画的な生活を心がけることが大切です。また、収入アップを目指すなど、財務状況を改善する努力も必要です。

信用情報が回復し、安定した収入が得られるようになれば、新たな借り入れの道も開けるはずです。焦らず、着実に信用回復に取り組んでいきましょう。

Q. 時効援用をするべきか迷っている

時効援用は、借金の返済義務がなくなるメリットがある一方で、信用情報への影響は避けられません。時効援用をするべきかどうか迷っている場合は、まずは弁護士に相談するのが望ましいです。

弁護士は、借金問題に関する専門知識を持っており、時効援用のメリットとデメリットを詳しく説明可能です。

時効援用以外にも、債務整理などの方法があるため、弁護士と相談しながら、慎重に検討することが大切です。借金問題は一人で抱え込まず、専門家の力を借りながら、前向きに解決していきましょう。

まとめ

このように、JICCの信用情報が時効援用によって回復するかどうかは、契約日や時効援用のタイミングによって異なります。原則として、時効援用が認められれば、契約終了扱いとなり、その日から5年以内は信用情報に登録が残ります。

また、時効援用が取引事実として登録された場合は、その発生日から5年以内は信用情報に影響がでます。

時効援用をするためには、最終弁済日から5年以上経過し、その間に返済や連絡、裁判上の請求がないことが条件になります。

時効援用後に信用情報が回復するまでは、クレジットカードの作成や新たな借り入れが難しくなる可能性があるため、計画的な生活を心がけることが大切です。

時効援用をするべきかどうか迷った場合は、弁護士に相談することをおすすめします。借金問題は一人で抱え込まず、専門家のアドバイスを受けることが、早期解決への近道となります。

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