【昔の借金】時効援用にはいくらかかる?誰に頼む?費用&段取り総まとめ

借金の返済に悩んでいませんか?実は借金にも時効があり、一定期間返済がない場合、支払い義務がなくなることをご存知でしょうか。

時効の成立には単に放置していれば成立するわけではなく、債務者からの意思表示が必要です。また、手続きが複雑なため、専門家である弁護士に相談するのがおすすめです。

この記事では、借金の時効援用について、その仕組みや手続き、弁護士に依頼するメリットなどを詳しく解説します。弁護士選びのポイントや費用相場も紹介するので、借金の時効援用を検討している方は参考にしてみてください。

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借金の時効とは何か?借金が消滅する仕組み

借金の時効とは何か?借金が消滅する仕組み

借金の時効とは、民法で定められた制度の一つで、一定期間が経過すると債務の支払い義務がなくなる仕組みを指します。

借金をしたまま返済せず放置していると、時効が成立し、借金が消滅する可能性があるのです。ここでは、借金の時効について、基本的な知識を解説します。

【大前提】借金には「消滅時効」が存在する

債務(ここでは借金)には、「消滅時効」という法律上の制度が存在します。これは、借金をしたまま返済せず、請求もされずに一定の期間が経過すると、その借金の支払い義務がなくなるという制度です。

ただし、借金の時効が成立するためには、いくつかの条件を満たす必要があります。

まず、借金の返済を怠ってから一定の期間が経過していることが必要です。この期間は、借金の種類によって異なり、一般的には5年または10年です。この期間内に、債権者が借金の返済を請求したり、債務者が借金の存在を認めたりすると、時効のカウントが止まってしまいます。

借金の時効が成立すると、債務者は借金の支払い義務を免れることができます。ただし、時効が成立したからといって、借金自体が完全に消滅するわけではありません。

債務者が自主的に借金を返済することは可能ですし、時効の成立を主張しなければ、借金の支払い義務は残ります。

時効の起算点は、返済を怠った時点から

借金の消滅時効は、借金の返済を怠った時点から起算されます。具体的には、最後に借金の返済をした日から時効の期間が進行し始めるのです。

例えば、2021年1月1日に10万円を借りて、2022年1月1日に1万円を返済したとします。その後、返済をしないまま放置していたとしましょう。この場合、時効の起算点は2022年1月1日となり、そこから5年または10年経過すると時効が成立することになります。

ただし、この期間内に債権者が裁判所に支払い督促の申し立てをしたり、債務者が借金の存在を認める行為をしたりすると、時効のカウントはゼロに戻ります。時効を成立させるには、再度所定の期間経過が必要なため注意が必要です。

借金の時効の起算点を正確に把握することは、時効の成立を判断するうえで非常に重要です。起算点を誤って認識していると、時効の成立時期を勘違いする可能性があります。時効の起算点について不明な点がある場合は、弁護士に相談すると確実でしょう。

時効が完成すると、借金の支払い義務が消滅

借金の消滅時効が完成すると、債務者は借金の支払い義務を免れることができます。つまり、債権者は法的に借金の返済を求めることができなくなるのです。

ただし、時効が完成したからといって、借金が自動的に消滅するわけではありません。債務者が時効を援用しない限り、借金の支払い義務は残ったままになります。

時効を援用するには、債権者に対して「時効が成立したので、借金の支払い義務はありません」という意思表示をする必要があります。時効の援用は、口頭でも可能ですが、トラブルを避けるために書面で行うのが一般的です。具体的には、内容証明郵便で時効の援用を通知するのが望ましいとされています。

時効が完成した借金については、債権者からの取り立てを拒否することができます。仮に債権者が裁判所に支払い督促の申し立てをしてきたとしても、時効の完成を主張することで、支払いを拒否できるのです。

ただし、時効が完成した借金でも、債務者が任意で返済することはできます。時効を援用するかどうかは、債務者の判断に委ねられているからです。借金の時効については、弁護士に相談して、適切に対応することが大切です。

借金の時効援用の手続きを解説

借金の時効援用の手続きを解説

借金の時効が成立したからといって、自動的に借金が消滅するわけではありません。時効の利益を受けるためには、債務者から債権者に対して、時効を援用する旨の意思表示をする必要があります。ここでは、借金の時効援用の手続きについて、詳しく見てみましょう。

時効の援用は、債務者からの意思表示が必要

借金の時効が成立しても、債務者が時効を援用しない限り、借金の支払い義務は残ったままになります。時効を援用するには、債務者から債権者に対して、時効が成立したので借金の支払い義務がないことを主張する意思表示が必要です。

時効の援用の意思表示には、以下の内容を盛り込む必要があります。

  • 借金の詳細(借入日、借入金額、債権者名など)
  • 時効の成立要件を満たしていること
  • 時効を援用する旨の意思表示

これらの内容を記載した書面を、内容証明郵便で債権者に送付することで、時効の援用が成立します。

ただし、時効の援用がすぐに認められるかどうかは、ケースバイケースです。債権者が時効の成立を争ってきた場合は、裁判所での争いになる可能性もあります。そのため、時効の援用は弁護士に相談して、適切に対応することが大切です。

時効の援用=債権者に対して行う

時効の援用は、債権者に対して行う必要があります。つまり、お金を借りた相手に対して、時効が成立したことを主張しなければならないのです。

ただし、現在の債権者が、必ずしも借金をした相手とは限りません。借金の債権が譲渡されていたり、借金をしていた業者が吸収合併されていたりする場合があるからです。

例えば、消費者金融から借金をしていたが、その後、消費者金融が別の会社に吸収合併されたとしましょう。この場合、借金の債権者は、吸収合併された会社ではなく、合併後の会社になります。

また、借金の債権が別の会社に譲渡されているケースもあります。債権譲渡は、債権者が借金の債権を別の会社に売却することで、債権者が変更されるという仕組みです。

このように、借金の債権者が変更されているケースでは、現在の債権者に対して時効の援用を行う必要があります。債権者が誰なのかを確認したい場合、債権者に問い合わせることはせず、弁護士に相談するのが確実です。

時効の援用先を間違えると、時効が成立しないだけでなく、トラブルに巻き込まれる可能性もあります。

時効の援用には、弁護士に依頼するのが賢明

借金の時効援用は、法律の専門知識が必要な手続きです。時効の成立要件を満たしているかどうかの判断や、時効の援用の方法など、専門的な知識がないと適切に対応できない可能性があります。

そのため、時効の援用は、弁護士に依頼するのが確実です。弁護士は、時効が成立しているかを専門的に判断し、適切な方法で時効の援用を行ってくれます。

弁護士に依頼する場合、まずは借金の状況を弁護士に相談しましょう。借金の詳細や、これまでの返済状況、債権者とのやり取りなどを弁護士に伝えて、時効の成立要件を満たしているかどうかを判断してもらいます。

時効の成立要件を満たしていると判断された場合、弁護士が時効の援用の手続きを代行してくれます。具体的には、時効の援用通知書を作成し、内容証明郵便で債権者に送付する手続きを行ってくれるのです。

時効の援用後も、弁護士が債権者との交渉を代行してくれます。時効の援用が認められない場合や、債権者から不当な要求があった場合は、弁護士が適切に対応してくれるので安心です。

自分での時効援用はトラブルの原因となることも多いため、弁護士に依頼することをおすすめします。

時効が成立しない場合と完成猶予の事由

時効が成立しない場合と完成猶予の事由

借金の時効は、一定の条件を満たせば成立しますが、常に成立するとは限りません。時効の成立を妨げたり、時効の完成が猶予されたりする場合があるのです。ここでは、時効が成立しない場合と、完成猶予の事由について解説します。

債務の一部でも弁済すると、時効は中断(更新)に

借金の時効は、借金の返済を怠った時点から進行しますが、その間に債務の一部でも弁済すると、時効は中断(現行民法では更新といいます)してしまいます。

例えば、10万円の借金があり、4年間返済を怠っていたケースを考えてみましょう。しかし、4年と1日経過したタイミングで1万円を返済したとすると、その時点で時効は中断します。そして、残りの9万円について、新たに時効の期間が進行し始めるのです。

借金の返済を分割で行っている場合も、同様に時効は中断します。例えば、100万円の借金を10回に分けて返済しているとします。この場合、1回でも返済を行えば、その時点で時効は中断し、残りの借金について新たに時効の期間が進行し始めるのです。

借金の時効を成立させるためには、時効の期間中は一切の弁済を行ってはいけません。たとえ1円の弁済でも、時効の成立を妨げてしまうので注意が必要です。

債務の承認をすると、時効はリセット!

債務の一部を弁済する以外にも、債務の承認をすると、時効は中断(更新)してしまいます。

債務の承認とは
債務の承認とは、借金の存在を認める行為のことです。

例えば、借金の残高を確認するために、債権者に借金の金額を問い合わせることは、債務の承認に該当する行為です。また、「借金の返済が遅れてすみません」などと、借金の存在を認める発言をすることも、債務の承認となります。

債務の承認は、口頭でも成立しますが、書面で行った場合は、証拠が残るため特に効果が強いです。例えば、借金の残高を記載した書面に署名捺印することは、債務の承認に該当し、時効は確実に中断してしまいます。

債務の承認は、時効の援用を検討している場合は、避けるべきです。債権者から借金の残高を確認されても、安易に応じないことが大切です。また、書面での債務の承認は、絶対に避けなければなりません。

時効の成立を目指すのであれば、債権者とのやり取りは必要最小限にとどめ、不用意な発言や行動は控えましょう。債務の承認について不明な点があれば、弁護士に相談して、慎重に対応することが大切です。

裁判所から支払い督促を受けると、時効は中断(更新)

債権者が裁判所に支払い督促の申し立てを行い、裁判所から支払い督促を受けると、時効は中断(更新)します。

支払い督促とは
支払い督促とは、債権者が裁判所に申し立てを行い、裁判所から債務者に対して発せられる支払いを催促する通知のことです。

支払い督促が発せられると、債務者は2週間以内に異議を申し立てることが可能です。異議が申し立てられない場合、支払い督促は確定し、それでも放置していると強制執行による強制的な弁済が待っています。

弁護士に依頼するメリットと選び方

弁護士に依頼するメリットと選び方

借金の時効援用を行う際、専門家である弁護士に依頼することには大きなメリットがあります。時効成立の要件を正確に判断し、適切な手続きを踏んでくれるため、自力で行うよりも確実に時効を援用できるでしょう。

また、債権者との交渉も代行してくれるので、債務者の負担が大幅に軽減されます。

時効の成立要件を専門的に判断してもらえる

弁護士に時効援用を依頼する最大のメリットは、時効の成立要件を専門的な知識と経験に基づいて判断してもらえることです。時効の中断(更新)事由がないかを入念に調査し、援用の可否を的確に判断してくれます。

時効の成立要件は複雑で、知識のない人には判断が難しいため、専門家の助言は非常に心強いです。

また、仮に時効が成立していない場合でも、今後の対応方法について適切なアドバイスをしてくれるので、依頼者は安心して問題解決に臨むことができます。

時効の援用手続きを適切に行ってもらえる

時効の援用には、内容証明郵便の送付など、法律上の手続きが必要です。弁護士に依頼すれば、こうした手続きを適切に行ってもらえるので、ミスを防ぐことができます。

また、債権者が時効の援用を認めない場合、裁判所での紛争に発展することもありますが、その際も弁護士が代理人として手続きを進めてくれるため、依頼者の負担は最小限に抑えられます。

債権者との交渉を代行してもらえる

時効が成立しても、債権者が取り立てを続ける可能性もゼロではありません。そのような場合、弁護士が債権者との交渉を代行し、取り立ての差し止めを求めることができます。

弁護士からの交渉は、債権者に与える心理的圧力も大きいため、早期の解決につながることが多いです。万が一、債権者が訴訟を提起してきた場合でも、弁護士が代理人となって対応してくれるので、依頼者は安心して身を任せることができるでしょう。

弁護士費用の費用相場

弁護士費用の費用相場

借金の時効援用を弁護士に依頼する際、気になるのが費用の問題です。弁護士費用は事案によって異なりますが、一般的な相場や料金体系について理解しておくことで、適切な法律事務所選びに役立ちます。

ここでは、借金の時効援用にかかる弁護士費用の相場と、費用面で注意したいポイントを見てみましょう。

借金の時効援用の弁護士費用相場

借金の時効援用を弁護士に依頼する場合、その費用相場は1件あたり数万円から10万円程度が目安です。ただし、この金額はあくまで平均的な相場であり、借金額の多寡や事案の複雑さによって、費用は大きく変動します。

例えば、借金額が高額で、債権者との交渉が難航するようなケースでは、弁護士費用が10万円を超えることもあります。逆に、比較的少額の借金で、債権者との交渉もスムーズに進むようなケースでは、5万円程度で済むこともあるでしょう。

初回相談は無料の法律事務所を選ぶ

弁護士費用を抑えるために、初回相談が無料の法律事務所を選ぶことをおすすめします。多くの法律事務所では、初回相談無料の事務所は多いので、複数の事務所に相談して、依頼先を比較できます。

初回相談の際は、弁護士の専門性や経験、人柄などを確かめながら、自分の事案に適した弁護士を選ぶようにしましょう。相談の中で、弁護士から事案の見通しや費用の概算を聞いておくと、依頼後のトラブルを防ぐことができます。

成功報酬型の費用体系を選ぶ

弁護士費用の支払い方法は、おおむね着手金と成功報酬の2種類です。このうち、成功報酬型の費用体系を選ぶことで、依頼者の負担を軽減することができます。

費用体系
成功報酬型:着手金は無料、時効の援用が認められた場合にのみ報酬を支払う
着手金型:結果に関わらず一定の費用を支払う

成功報酬型とは、着手金は無料で、時効の援用が認められた場合にのみ報酬を支払う方式のことです。つまり、弁護士への依頼が失敗に終わった場合、依頼者は一切の費用を支払う必要がありません

一方、着手金型の場合、結果に関わらず一定の費用を支払わなければならないため、依頼者にとってリスクが大きいと言えるでしょう。

法律事務所選びで注意したい点

法律事務所選びで注意したい点

借金の時効援用を弁護士に依頼するなら、適切な法律事務所選びが欠かせません。単に費用の安さだけで判断するのではなく、事務所の実績やサポート体制なども見極めることが大切です。

ここでは、法律事務所選びで注意したいポイントを3つ解説します。

借金問題の解決実績が豊富な事務所を選ぶ

まずは、借金問題の解決実績が豊富な法律事務所を選ぶことが重要です。時効援用は、借金問題の中でも特に専門性の高い分野なので、多数の事例を手がけているかどうかが弁護士の実力を測る上での目安になります。

事務所のWebサイトや無料相談の際に、これまでの解決実績について尋ねてみましょう。

解決実績が豊富な事務所であれば、借金問題に関する知識や交渉ノウハウが蓄積されているため、適切な解決策を提示してくれる可能性が高まります。

土日や夜間の相談に対応している事務所を選ぶ

次に、土日や夜間の相談に対応している法律事務所を選ぶのがおすすめです。

平日の昼間は仕事などで時間が取れないという人も多いですが、そのような人でも相談しやすい環境が整っていることが重要です。

土日や夜間の相談に対応している事務所なら、自分の都合に合わせて相談の予約を入れることができるので、手続きがスムーズに進められます。

ただし、土日や夜間の相談は、事務所によって対応状況が異なるため、事前に確認しておくことが大切です。

事務所のアクセスの良さを確認する

最後に、依頼する法律事務所のアクセスの良さを確認しておくことも忘れてはいけません。

時効援用の手続きは、一度や二度の訪問で完了するわけではなく、弁護士との打ち合わせを重ねる必要があります

そのため、事務所が遠方にある場合、訪問のための交通費や時間がかさんでしまい、依頼者の負担が大きくなってしまいます。できるだけ自宅や職場から近い場所にある事務所を選ぶことで、スムーズに手続きを進められるでしょう。

最近ではオンラインでの相談に対応している事務所も増えてきているので、そうしたサービスを利用するのもよいかもしれません。

借金の時効援用の注意点

借金の時効援用の注意点

借金の時効援用は、債務者にとって強力な武器となる一方で、いくつかの注意点があります。時効援用の手続きを進める上で、避けるべき行動について理解しておくことが重要です。ここでは、借金の時効援用における3つの注意点を解説します。

時効の援用前に、債務の一部でも支払ってはいけない

時効援用を検討している場合、債務の一部でも支払ってはいけません。たとえわずかな金額であっても、債務の支払いは時効の中断(更新)事由となるため、時効のカウントがゼロに戻ってしまうのです。

例えば、10万円の借金について時効援用を考えているとき、1万円だけ支払ったとします。その時点で時効はリセットされ、再びゼロからカウントが始まります。

時効援用の意思が固まったら、債務の支払いは一切行わないようにしましょう。

時効援用の手続き中は、債権者と連絡を取らない

時効援用の手続きを進めている間は、債権者と直接連絡を取ることは避けるべきです。なぜなら、不用意に債権者と接触すると、時効の中断(更新)事由である「債務の承認」をしてしまう恐れがあるからです。

注意

例えば、債権者から電話で支払いを求められた際、「支払う意思はある」と答えてしまうと、債務を認めたとみなされ、時効が中断する可能性があります。

時効援用の手続き中は、債権者とのやり取りはすべて弁護士に任せ、依頼者自身が直接連絡を取ることは控えましょう。

時効が成立しても、債務自体は消滅していない

時効援用が認められ、債務の支払い義務がなくなったとしても、債務自体が消滅するわけではありません。あくまで、債権者が法的に債務の支払いを求められなくなるだけであり、債務は残り続けるのです。

時効成立後に債権者から任意の支払いを求められた場合、応じるかどうかは依頼者の判断次第となります。ただし、時効の完成した債務の支払いには、法的な強制力はないため、無理のない範囲で判断すればよいでしょう。

まとめ

借金問題には消滅時効という仕組みが存在し、返済義務を免れることができる可能性があります。

しかし、時効を成立させるためには「援用」という手続きが必要で、その際は専門家である弁護士に依頼すると確実です。弁護士は時効成立の要件を判断したり、債権者との交渉を代行したりと、借金問題の解決に大きな助けとなってくれます。

ただし時効援用の手続き中は、むやみに債権者と連絡を取るのは危険です。債務の一部を支払うと、時効が中断(更新)してしまうリスクがあるので要注意です。

借金問題でお悩みなら、まずは無料相談を行っている法律事務所に相談してみてはいかがでしょうか。

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