時効援用の費用はいくらかかる?安くするコツと弁護士に依頼するメリットを解説

時効援用したいけど、費用がどのぐらいかかるのかも心配な要素でしょう。自分で時効援用通知書を送付すれば、郵送料だけで済みます。しかし、正しく時効が成立しているか判断したり、適切な通知書を作成したりするのは専門的な知識が必要です。

この記事では、時効援用にかかる費用の内訳や、費用を抑えるコツをご紹介します。また、弁護士・司法書士への依頼を検討している方のために、メリットや選び方のポイントもお伝えします。時効援用費用に関する疑問や、手続きを自分で行う際の注意点なども解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

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時効援用にかかる費用の内訳

時効援用にかかる費用の内訳

時効援用を行う際には、いくつかの費用が発生します。内容証明郵便の発送費用や専門家への依頼費用、信用情報機関への情報開示請求費用など、それぞれの内訳を把握しておくことが大切です。

時効援用にかかる主な費用について詳しく解説していきます。

内容証明郵便の発送費用

時効援用通知書を債権者に送付する際、内容証明郵便を利用するのが一般的です。

内容証明郵便を発送するための費用は、
基本料金84円
一般書留料金435円
内容証明料金440円
配達証明料金320円
を合わせた合計1,279円となります。

ただし、自力で通知書を作成・送付した場合、書式の不備や内容の誤りなどにより時効援用に失敗するリスクがあるため注意が必要です。

元々、内容証明郵便は法的な権利を主張したり、相手に対して訴訟準備のための文章を送付するような目的で使われる性質にあるものとなります。

よって、内容証明郵便は1行あたりの文字数やフォーマットが厳格に決まっており、不慣れな方が内容証明郵便を作成し、送付しようとすると、郵便局で発送する際に郵便認証司(内容証明・特別送達等の重要な書面を認証する国家資格・または国家資格を持ち業務にあたる日本郵便職員のこと)によるチェックに通過できないといったリスクも出てきます。

その他、郵便認証司のチェックはあくまでも、フォーマットに不備がないかどうかの確認にとどまりますから、実際に送付してみたところ、時効援用通知としての要件を満たさず、相手方に時効援用を行おうとしている意図だけが伝わってしまい、相手方から即座に一括請求や訴訟など、時効完成を阻害するような行動に出られてしまう恐れもあるというわけです。

詳細は後述しますが、基本的に時効援用目的で内容証明郵便を送付することにおいては、専門家のアドバイスを受けながら手続きを進めることをおすすめします。

専門家への依頼費用

時効援用の手続きを弁護士や司法書士に依頼する場合、費用は事務所によって異なります。

おおよその相場としては、
弁護士への依頼が5万円~15万円程度
司法書士への依頼が5~8万円程度
が一般的です。

専門家に依頼することで、時効成立の判断や通知書の作成、債権者とのやり取りなどを適切に行ってもらえるため、確実に時効援用を進められるというメリットがあります。自分で手続きを行うよりも費用はかかりますが、トラブルを防ぐ意味でも専門家への依頼を検討してみてください。

信用情報機関への情報開示請求費用

時効援用を行う前に、自分の借金情報を確認するために信用情報機関に情報開示請求を行う必要があります。

信用情報機関ごとに開示請求にかかる費用が異なり、
CICでは500~1,500円
JICCでは1,000円
KSCでは1,000~1,200円
程度の費用がかかります。

これらの費用は、時効援用の手続きを進める上で必要不可欠なものですので、あらかじめ準備しておくようにしましょう。

時効援用の費用を安くするコツ

時効援用の費用を安くするコツ

時効援用にかかる費用を少しでも抑えたいと考える人は多いでしょう。ここでは、時効援用の費用を安くするためのいくつかのコツをご紹介します。

自分で通知書を作成・送付する方法や、司法書士に依頼する方法、弁護士の無料相談を活用する方法など、それぞれのポイントを押さえておきましょう。

自分で時効援用通知書を作成・送付する

時効援用の費用を最も安く抑える方法は、自分で時効援用通知書を作成し、内容証明郵便で送付することです。内容証明郵便の発送費用1,279円のみで手続きを行うことができます。

ただし、時効成立の判断や通知書の作成は専門的な知識が必要となるため、ミスをしないよう細心の注意が求められます。書式や内容に不備があると、時効援用が無効となってしまう可能性があるので、慎重に進めることが大切です。

司法書士に依頼する

弁護士に依頼するよりも費用を抑えたい場合は、司法書士への依頼がおすすめです。一般的に、司法書士への依頼費用は弁護士よりも安い傾向にあります。

140万円以下の任意整理については、司法書士法第3条1項7号(裁判外の和解)により認定司法書士の業務範囲とされているため、時効援用の手続きを司法書士に任せることができます。

司法書士なら、適切な通知書の作成や債権者とのやり取りを行ってくれるため、安心して手続きを進められるでしょう。

弁護士の無料相談を活用するのも手

時効援用について悩んでいる人は、まずは弁護士の無料相談を利用してみるのも一つの手段です。当事務所をはじめ、多くの法律事務所では初回の相談を無料で受け付けています。

無料相談を通じて、時効援用の可否や費用についての見通しを立てることができます。弁護士から専門的なアドバイスをもらえるため、手続きを進める上での不安や疑問を解消できるでしょう。まずは無料相談を活用し、時効援用に関する理解を深めることをおすすめします。

特に多重債務という経験をお持ちの方は、弁護士であったり、役所の職員といった職業につく人物と「話をしたくない」と思われる方が多いように思います。

多重債務を経験されたの方の中には、抑圧された生活を長く耐え忍ばれてきたというケースも多く、弁護士と面会や相談をする=弁護士から説教されるのではないか、であるとか、借金を踏み倒す相談をするなんてとんでもない、と弁護士から叱責を受けるだけ受け、業務を行ってもらえないのではないか?と考えてしまう方も、おられるのではないでしょうか。

確かに、従前はそうした弁護士が存在した時期もあります。しかし、そもそも、時効援用は債務者における権利であり、権利を行使することは当然に認められてしかるべきものでもあります。

例えば、当事務所であれば「時効援用の手続き」における相談は無料で受付しており、相談の際にも時効援用に至った経緯こそお聞きしますが、怒る・嫌な顔をする、といったことは絶対にありません。ご安心ください。

弁護士・司法書士に時効援用を依頼するメリット

弁護士・司法書士に時効援用を依頼するメリット

時効援用の手続きを弁護士や司法書士に依頼することには、いくつかの大きなメリットがあります。時効成立の正確な判断や確実な手続きの実施、トラブル防止と安心感の確保など、専門家ならではの強みを活かしてスムーズに時効援用を進められるでしょう。

弁護士・司法書士に依頼する主なメリットについて解説します。

時効成立の正確な判断

時効援用を行うには、時効の起算点や更新の有無など専門的な判断が必要不可欠です。しかし、法律の知識が乏しい一般の方にとって、これらの判断を正確に行うのは難しいものです。

弁護士や司法書士なら、豊富な知識と経験を活かして時効成立の可否を的確に判断してくれます。時効の成立要件を満たしているかどうかを慎重に見極め、援用のタイミングを逃さないよう適切にアドバイスしてくれるでしょう。

確実な時効援用手続き

時効援用を成功させるには、適切な時効援用通知書の作成と送付が欠かせません。債権者とのやり取りや交渉も重要なポイントです。

弁護士や司法書士に依頼すれば、これらの手続きを全て代行してもらえます。専門家が関与することで、通知書の不備や送付ミスを防ぐことができ、債権者からの反論にも適切に対応できます。面倒な手続きを任せられるため、依頼者の負担を大幅に軽減できるのも大きなメリットと言えるでしょう。

トラブル防止と安心感

時効援用の手続きを自分で行った場合、ミスによって援用が失敗してしまうリスクがあります。しかし、弁護士や司法書士に依頼すれば、そうしたトラブルを未然に防ぐことができます。

万が一、時効援用がうまくいかない事態になっても、専門家が適切な対応方法を提案してくれるため安心です。法律のプロに手続きを任せることで、時効援用にまつわる不安やストレスから解放されるでしょう。

弁護士と司法書士、どちらに依頼するべき?

弁護士と司法書士、どちらに依頼するべき?

時効援用の手続きを専門家に依頼する際、弁護士と司法書士のどちらを選ぶべきか迷う人も多いでしょう。依頼先の選択には、借金の金額や他の債務整理の検討状況など、いくつかの判断基準があります。

弁護士と司法書士それぞれの特徴を踏まえ、状況に応じたおすすめの依頼先をご紹介します。

借金の元金が140万円以下の場合

借金の元金が140万円以下であれば、司法書士でも時効援用の手続きを行うことができます。ただし、時効援用に関連して他のトラブルが発生した場合のリスクを考慮すると、弁護士に依頼するのがより安全な選択肢と言えるでしょう。

弁護士なら、法律の専門家として幅広い問題に対応してくれるため、万が一のトラブルにも動じずに対処できます。費用面では司法書士の方が安上がりですが、トータルの安心感を重視するなら弁護士がおすすめです。

借金の元金が140万円を超える場合

借金の元金が140万円を超える場合は、司法書士では対応できません。この場合は、弁護士に依頼する必要があります。とはいえ、このように書ききってしまうと、少々乱暴な印象を受けますので、もう少し詳しくご説明しておきます。

結論から申し上げれば、時効の援用手続を代理することができるのは、弁護士と認定司法書士となります。司法書士には通常の司法書士と、法務大臣の認定を受け簡裁訴訟代理権を持つ認定司法書士の2タイプがありますが、このうち後者については、簡裁訴訟代理権の範囲が及ぶ総額140万円以下の案件に限り、時効援用手続きを代行して行うことができるのです。

また弁護士なら、金額の多寡に関わらずあらゆる債務問題に対応可能です。着手金や報酬などの費用は司法書士よりも高くなる傾向にありますが、確実な手続きが期待できるため、大きな借金を抱えている人にとっては頼りになる存在と言えるでしょう。弁護士の専門性を活かし、時効援用を確実に成功させましょう。

自己破産など他の債務整理も検討する場合

時効援用だけでなく、自己破産など他の債務整理も検討している場合は、弁護士に一括して依頼するのがおすすめです。弁護士なら、時効援用以外の手続きについても専門的なアドバイスを提供してくれます。

債務の状況を総合的に判断し、依頼者にとって最適な解決方法を提案してくれるでしょう。自己破産の申立てなど、司法書士では対応できない手続きも弁護士なら全て任せられるため、依頼者の負担を軽減できます。債務問題の解決を弁護士に一任し、スッキリとした生活を取り戻しましょう。

時効援用費用に関するよくある質問

時効援用を検討する際、費用面での疑問や不安を感じる方は少なくありません。

時効援用費用に関する代表的な質問について、専門家の視点からわかりやすく解説していきます。

Q. 時効援用の着手金や成功報酬は必要?

時効援用を弁護士や司法書士に依頼する際、費用体系は事務所によって異なります。多くの場合、着手金のみ、または着手金と成功報酬の組み合わせが設定されています。

着手金は、時効援用手続きを開始する際に必要な初期費用で、事務所の規模や所在地などによって金額は様々です。成功報酬は、時効援用が成立した場合に発生する費用で、通常は借金額の一定割合が設定されています。ただし、成功報酬を設定していない事務所もあるため、依頼前に費用体系を確認しておくことが重要です。

Q. 分割払いは可能?

時効援用の費用を一括で支払うのが難しい場合、多くの事務所では分割払いにも対応しています。

分割回数や手数料は事務所ごとに異なるため、事前に確認しておきましょう。

一般的には、3回から6回程度の分割が可能なケースが多いようです。ただし、分割回数が多いほど、総額的には費用が高くなる傾向にあるため、可能な範囲で分割回数を少なくするのがおすすめです。分割払いを希望する場合は、事務所との契約時に明確に取り決めておくようにしましょう

Q. 過払い金請求との併用はできる?

時効援用と過払い金請求を同時に進行させることについては、事情によって異なるため、弁護士に相談するのが最善の方法です。

過払い金請求は、借金の返済において利息制限法の上限金利を超えて支払った利息を取り戻す手続きです。時効援用が成立した借金についても、過払い金請求の対象となる場合があります。

ただし、時効援用と過払い金請求では、必要な書類や手続きが異なるため、両者を同時に進めるのは容易ではありません。借金の状況や時効の成立状況、過払い金の発生可能性などを総合的に判断し、最適な方法を弁護士と相談して決定するのが賢明です。

時効援用手続きを自分で行う際の注意点

時効援用手続きを自分で行う際の注意点

時効援用手続きを弁護士や司法書士に依頼せず、自分で行う場合、いくつかの重要なポイントに注意が必要です。

時効援用を自力で進める際の注意点について、専門家の視点から解説していきましょう。

時効の起算点を正確に把握する

時効援用を成立させるためには、時効の起算点を正しく理解することが大切です。

起算点とは
起算点とは、時効の期間が開始する日のことで、通常は最終返済日や債務承認日から起算されます。

ただし、借金の種類や借り入れ時期によって起算点の考え方が異なる場合もあるため、注意が必要です。最も確実な方法は、信用情報機関から自身の個人信用情報を開示してもらい、記録を確認することです。

CICやJICCといった信用情報機関では、有料で個人の信用情報を開示しています。開示された情報から、最終返済日や延滞状況などを把握し、時効の起算点を特定しましょう。

ここで一つ注意しておきたいのが、過去にご結婚や離婚などで苗字が変更になっているといったケースです。

一般的に、CICやJICCにおいては、本人開示を行う際、契約当時の住所や氏名、そして電話番号として考えられるものを数点用意して申し込みを行います。また、旧姓名義の情報については、別途現姓とのつながりを疎明できる書類を添えて開示請求を行う必要が出てきます。

特に多重債務状況に陥ると、どの電話番号で申し込みをしたかも覚えていないといったケースがあり、こうしたところから、信用情報機関への本人開示だけでは時効の起算点や債権者を正確に把握することが難しいというケースも往々にして出てくるものです。

よって、複数の時効援用が可能ではないかと思われる債務をお持ちの方は、弁護士事務所に相談することで、あらゆる角度から抜け漏れなく、時効援用可能な債務を洗い出すことができる可能性が格段に上がってくると言って差し支えありません。

時効更新事由がないことを確認する

時効援用が成立するには、時効期間が満了するまでの間、時効更新事由がないことが条件です。

時効更新事由とは
時効更新事由とは、時効の進行を止める事情のことで、代表的なものとしては、裁判所からの支払督促や少額訴訟の通知、債権者との連絡や支払いの約束などがあります。

自分で時効援用を行う場合、こうした更新事由がないかどうかを十分に確認する必要があります。具体的には、過去の裁判所からの通知や、債権者とのやり取りの記録をチェックしましょう。もし心当たりがある場合は、弁護士や司法書士に相談するようにしましょう。

適切な時効援用通知書を作成する

時効援用を行うには、債権者に対して時効援用通知書を送付する必要があります。通知書には、債務の特定(借り入れ日、借り入れ先、借り入れ額など)と、時効の成立根拠(起算点と時効期間の満了日)を明記します。

時効を援用する旨の意思表示を明確に記載することも重要です。自分で通知書を作成する場合、記載ミスや分かりにくい表現は避け、簡潔明瞭に記述するよう心がけましょう。通知書の書式や例文はインターネットでも見つかりますが、弁護士や司法書士に確認してもらうとより安心です。

時効援用に失敗したらどうなる?

時効援用に失敗したらどうなる?

時効援用は、適切な手続きを踏めば比較的高い確率で成立しますが、時に失敗するケースもあります。

ここでは、時効援用に失敗した場合に起こりうる事態と、その対処法について解説します。

債権者からの取り立てが再開

時効援用通知を送付しても、債権者がそれを認めないケースも多いです。その場合、債権者から督促状の送付や電話連絡が再開する可能性があります。

取り立ては、時効成立の主張に対する債権者の反論という形で行われるため、単なる請求とは異なります。仮に時効援用が適切に行われていれば、最終的には債権者側が取り立てを断念せざるを得ませんが、それまでは心理的な負担を強いられるかもしれません。債権者からの連絡に対しては、冷静に対応し、時効が成立している旨を改めて主張しましょう。

裁判所からの通知が届く

時効援用後も、債権者が裁判手続きを開始することがあります。その場合、裁判所から支払督促や少額訴訟の通知が届く可能性があります。

支払督促は、債権者が裁判所に申し立てを行い、裁判所から債務者に支払いを命じる通知です。少額訴訟という、60万円以下の金銭トラブルを簡易な手続きで解決する裁判もあります。

いずれの場合も、通知に記載された期限までに適切な対応を取る必要があります。支払督促に対しては期限内に異議申し立てを行い、少額訴訟に対しては出廷して時効の抗弁を主張しましょう。

弁護士への相談が必要に

時効援用が失敗した場合、まずは失敗した理由を冷静に分析することが大切です。時効の起算点や更新事由の判断を誤っていなかったか、通知書の記載内容に不備はなかったかなど、改めて確認しましょう。

その上で、弁護士に相談し、適切な対応方針を検討するのが賢明です。弁護士は、時効援用の可否を専門的見地から判断し、必要に応じて債務整理などの手続きを提案してくれます。多くの弁護士事務所では、初回の相談を無料で受け付けているため、気軽に相談できます。時効援用に失敗しても、弁護士とともに適切な解決策を探ることで、債務問題から脱却できる道は必ず開けるはずです。

まとめ

時効援用の費用は内容証明郵便の発送費用と専門家への依頼費用が主な内訳となっています。自分で手続きを行えば費用を抑えられますが、時効成立の判断や通知書作成のミスなどのリスクがあるため注意が必要です。

弁護士や司法書士に依頼するメリットとしては、正確な時効成立の判断、確実な手続き、トラブル防止などが挙げられます。借金の金額や状況に応じて、弁護士と司法書士のどちらに依頼するか検討しましょう。

時効援用手続きを自分で行う際は、起算点の把握、時効更新事由の確認、適切な通知書作成に気をつけてください。万が一時効援用に失敗した場合は、弁護士に相談して対応方針を検討することをおすすめします。

当事務所では、メールフォームや電話、LINEでの相談が可能です。まずはお気軽にご相談ください。借金問題の解決に向けて、全力でサポートさせていただきます。

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